日々の営業活動になくてはならない「営業コンテンツ」。
提案資料や他社比較表、料金表など、その用途に応じて多様なコンテンツが活用されています。
優れた営業コンテンツは時に顧客の意思決定に大きな影響を与え、購買プロセスを後押しする力強い武器となります。
営業チームはどのようにして優れた営業コンテンツを生み出していけばよいのでしょうか。この記事では営業コンテンツを作るうえでの考え方について見ていきます。
目次
営業活動で求められるコンテンツとは、どのようにあるべきでしょうか。
CardPicksでは、営業コンテンツは営業プロセスごとに最適なものを顧客に提供すべきだと考えています。
営業プロセスとは、一連の営業活動を可視化したもので、一般的なBtoBサービスでは下記のようなプロセスをたどります。
①【集客】
②【リード獲得】
③【商談設定】
④【課題ヒアリング】
⑤【担当者価値合意】
⑥【決裁者価値合意】
⑦【条件交渉】
⑧【契約手続き】
⑨【導入支援】
⑩【運用支援】
提案資料や競合比較表、料金表など、営業時に必要とされるコンテンツは多種様々です。
それら多様な営業コンテンツを上記のような営業プロセスの各シーンごとに最適化して準備することで、より受注率の向上やリードタイムの短縮に寄与することができるでしょう。
しかし、営業プロセスの各シーンごとに最適なコンテンツ、とはどのように定義して考えていけばよいのでしょうか。
そこで注目すべきが、営業プロセス(=自社視点)ではなく、顧客の視点で一連のプロセスを俯瞰する「購買プロセス」の考え方です。
特に近年は法人の購買行動に大きな変化が起きており、従来通りの営業活動では顧客の購買行動との齟齬が生じる場合があります。
例えば、一つには法人でもインターネットによる事前の情報収集が当たり前となりつつあることがよく指摘されます。
購買プロセスの初期段階で「とりあえず営業マンを呼んで話を聞く」という行動が減少し、十分にインターネット上で情報収集し、比較検討したうえで始めて営業と接触するようになってきています。
こうした背景から自社の顧客の購買プロセスを改めて把握する必要があるのです。
ここでは、一般的なBtoBの営業プロセスに対応する形で下記のように購買プロセスを設定しています。
①【潜在的な課題(未認識)】
②【浅く広い情報収集】
③【社内案件化】
④【比較検討を含むより具体的な情報収集と整理】
⑤【提案の評価】
⑥【関係者合意】
⑦【要件整理】
⑧【契約手続き】
⑨【導入】
⑩【定着・改善】
こうした一連の購買プロセスにおいて、「購買の意思決定のために顧客が必要とするコンテンツとは何か」、「顧客の購買プロセスを前に進めるコンテンツとは何か」を考えて各種資料を揃えていくことが重要になります。
最適な営業コンテンツを見つけるために、もう少しだけ顧客の購買プロセスの解像度を上げてみましょう。
購買プロセスという横軸に加え、社内関係者(=キーマン)という縦軸を加えて考えてみます。
個人向けサービスとは異なり、法人がサービスを導入する際には様々な関係者が意思決定に関わってきます。案件の発案者や実際に案件をすすめる担当者、導入を決定する意思決定者、また社内稟議を承認する決裁者、そして実際にサービスを利用する利用者も含まれます。
実際、法人の意思決定に関わる関係者は年々増えており、2014年に平均5.4人だった関係者数は、2016年に6.8人にまで増加しているというリサーチ結果があります。(出所:challenger社HP CEBAnalysis)
ここでは「推進者」、「決裁者」、「管理者」、「利用者」の4つの役割にまとめます。
①「推進者」:課題を認識し、解決策の導入に向けて社内外に働きかける人
②「決裁者」:導入の最終意思決定をし、決裁権を持つ人。
③「管理者」:運用の担当者であり、定着・改善の責任を負う人
④「利用者」:実際にサービスを利用する人
社内関係者を把握したら、購買プロセスごとにそれぞれの動きとニーズを可視化していきましょう。一例としてまとめると次のようになります。
例)購買プロセスごとの「推進者」のニーズ
①【潜在的な課題】
・漠然とした課題を言語化したい
②【浅く広い情報収集】
・課題を明確にしたい
・解決策を知りたい
③【社内案件化】
・課題解決のための費用感を知りたい
・社内関係者に説明できるだけの資料がほしい
④【比較検討を含むより具体的な情報収集と整理】
・他の選択肢の詳細を知りたい
⑤【提案の評価】
・自社向けにカスタマイズされた提案がほしい
⑥【関係者合意】
・社内会議のための客観的な情報(数字、実績)が欲しい
⑧【契約手続き】
・スムーズに不備なく、手続きを進めたい
このように「シーン」×「関係者」ごとのニーズを明確にできたならば、あとはそれらのニーズを満たすコンテンツを用意します。
この記事のテーマである、「営業プロセスごとに最適な営業コンテンツを提供すること」、とはすなわち、「購買プロセスにおける社内関係者の動きやニーズを把握して、各シーン・各関係者ごとに有益なコンテンツを提供すること」に他なりません。
購買プロセスと社内関係者のニーズを可視化できたならば、次のステップとして対応する既存コンテンツを整理し、同時に不足しているコンテンツを明確にしていきましょう。
営業コンテンツを整理する際には、「顧客向け」のコンテンツと「社内向け」のコンテンツを区別して考えるとより分かりやすくなります。
【顧客向けコンテンツ】
⇒ホワイトペーパー、提案資料、競合比較表、導入事例、デモ動画等
【社内向けコンテンツ】
⇒トークスクリプト、ヒアリング項目、カウンタートーク集、商品知識・業界知識、営業の成功・失敗事例等
購買プロセスごとに整理すると次のようになります。
ここまでの内容をまとめると、次のようになります。
①営業プロセスと購買プロセスの流れを定義
②購買プロセスにおける各関係者のニーズを可視化
③それに対応する営業コンテンツを整理する
記事内で使用したExcelフォーマットは以下よりダウンロードできますので、ぜひご参考にしてください。
また、この記事のテーマである「顧客の各購買フェーズごとに最適な営業コンテンツを提供すること」は、セールスイネーブルメントツール「CardPicks」の基本コンセプトでもあります。
この記事で紹介した一連の内容は、実際にCardPicksが導入される際に代行・支援させて頂いているもので、弊社の担当がコンテンツの可視化・整理のサポート支援をしております。
もし、外部の専門チームにお任せしたいという方はぜひお問い合わせください。