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多くの日本の企業で導入されているジョブローテーション。
この記事ではそんなジョブローテーションの概要と、メリットとデメリットについてお伝えし、ジョブローテーションのデメリット解消の取り組みの例について触れていきます。
この記事は以下のような方におすすめです。
・ジョブローテーションの基本的な概要を知りたい方
・定期的な人材の配置転換に伴う育成に悩んでる部門のマネージャーの方
それでは内容をみていきましょう。
ジョブローテーションとは、人材育成を目的として、対象の人材の部署や職種、職務を一定期間ごとに異動させることです。
異動する期間に関して特に決まりはなく、企業ごとに異なります。
通常、新人の場合ではあれば入社〜半年、中堅以上であれば3年〜10年のような周期でジョブローテーションを行います。
ジョブローテーションのメリットとデメリットには、以下のような内容があげられます。
・適材適所の見極めがし易くなる
ジョブローテーションは定期的に部署や職務を変更していくため、様々な業務を経験することができます。
幅広い業務を経験するため、その人材がどのような部署が向いているかの見極めが行いやすくなるため、結果的に人材の適材適所の見極めがし易くなります。
・社内ネットワークの構築
様々な部署に異動に伴い、社内ネットワークが築きやすくなります。
・属人化の防止
定期的に部署移動が行われるため、一人の人材が業務を長期的に抱えることはできません。
・モチベーションの維持
同じ業務を繰り返し行うことで、飽きが生じモチベーションの低下に繋がります。
そのようなモチベーション低下を防止するため、職務の再設計の機能としてジョブローテーションを用いることが効果的です。
・企業の全体業務の把握
話を聞くだけでは実際の現場感は把握できませんが、ジョブローテーションの場合、部署異動を行い実際に作業するため各部署の業務内容の把握が行いやすくなります。
特に、様々な部署が協力して顧客にサービスを提供する企業において、このジョブローテーションによる全体業務の把握が有効に機能します。
・経営幹部候補の育成
経営幹部に必要な多角的な視点を養う点でも、ジョブローテーションは効果的です。
・人材流出の可能性がある
専門的なスキルを伸ばしたいと考えている人材の場合、職務の内容が変わるジョブローテーションはモチベーションを下げる原因の一つです。
最悪の場合は、専門性を伸ばすことができる企業への転職といったことも考えられます。
・スペシャリストが育成しづらい
定期的な配置転換が行われるため、ゼネラリストの育成はしやすいですが、反対にスペシャリストの育成がしづらい点がジョブローテーションのデメリットです。
・引継ぎや教育に時間がかかる
部署異動の際の引き継ぎや、部署に入ってくる新人の育成に時間がかかります。
引継ぎ内容の把握と部署に入ってくる新人の育成を部署のマネージャーやチーム長が全て担当しているケースも多く、そのような場合、マネージャーやチーム長の業務負担が大きくなります。
上で述べたようなデメリットを解消するためには、どのような方法があるでしょうか。
さいごに、ジョブローテーションのデメリット解消法の例をみていきましょう。
ジョブローテーションによるモチベーション低下を防ぐためには、ジョブローテーションを行う前にジョブローテーションの対象の従業員と面談する必要があります。
面談では本人の意思を確認しましょう。
幅広い業務をこなすゼネラリストを目指している場合なら比較的問題ありませんが、専門性を伸ばすスペシャリストのキャリアプランを本人が考えている場合は注意が必要です。
スペシャリストを希望している人材の場合は、きちんとジョブローテーションの目的を伝えることが重要になります。
本人の意思を考慮せずにジョブローテーションを実施してしまうと、モチベーション低下や退職の原因になる恐れがあります。
部署異動に伴う引継ぎや教育に時間がかかってしまう点もジョブローテーションの大きなデメリットです。
これを防ぐためには普段からナレッジマネジメントを行い、引き継ぎの時間と教育時間の短縮を行うことが重要になります。
特にマニュアルはあるが、ノウハウに関しては蓄積しておらず、新人が入ってくる度に同じような内容を何度も教えている、などの理由から多くの教育時間が発生しているケースもあります。
新人にとっても忙しいマネージャーに質問はなかなかしづらいものです。
ナレッジマネジメントにより、新人が自主的にノウハウを検索する環境を用意することで、そのようなジョブローテーションのデメリットを解消できます。
ジョブローテーションでのお悩みを解消するための手段として、ナレッジマネジメントご検討されている方は、ぜひナレッジマネジメントツールのCardPicksをご確認頂ければと思います。