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以下のような問題に悩んでいる、という方も多いのではないでしょうか。
・優秀な人材が退職する度にノウハウが損失してしまう
・誰かが過去に解決した課題を、また一から調べて対応している
・同じような質問が頻繁に何人からも発生している
・良いアイディアが実行されずに消えてしまう
これらの問題は、ナレッジ管理が適切にできていないために発生してしまう問題です。
企業の重要な経営資源として、ヒト・モノ・カネ・時間、そして情報・知識があげられます。
企業競争力を担保する上でも、情報と知識を適切に管理し、メンバーがそれらを適切に使いこなすことが今後ますます重要になってくるでしょう。
今回の記事では、そのような情報や知識の管理 = ナレッジ管理の基本的な内容について触れていきます。
具体的に記事の前半では、ナレッジ管理とは何かとナレッジ管理を行うことによるメリットをお話しします。
そして、記事の後半では、ナレッジ管理を行う上での基本的な型をお伝えし、ナレッジ管理を運用する上での障害、それらの障害を乗り越えるために必要な運用ルール設計とナレッジ管理者の重要性についてお伝えしていきます。
ナレッジ管理とは、組織内にある情報やノウハウなどのナレッジを可視化し組織内に共有することで、組織全体の業務レベルの引き上げや標準化、効率化を図っていくことを指します。
ナレッジ管理を行うことにより、以下のようなメリットを得ることができます。
同じような課題の解決時間の短縮
過去に発生した課題とその解決方法に関して共有されている状態なので、課題が発生した際には自力で解決することが可能になります。
他部署や他のメンバーへの確認する時間がなくなるため、課題解決の時間を短縮することが可能です。
業務を行う上で最も効率の良い方法をベストプラクティス呼びます。
このようなベストプラクティスを共有・管理することで、組織全体の業務品質の引き上げや標準化が期待できます。
マーケティングや営業、CSなど部門を超えて情報やナレッジを共有することで、他の事業部の活動を理解することができます。
これにより、部門ごとに事業に対しての認識が異なるといった問題が解消されます。
ナレッジ管理が適切に行われると、顧客からの要望や質問に対して、どのメンバーでも顧客への案内を行うことが可能になります。
その結果、担当者により対応やサービスの説明が違うなどの個のバラつきが解消されるため、企業全体で見たときに顧客へ提供するサービスの品質が均質化します。
メリットが多いナレッジ管理ですが、いざナレッジ管理を行おうと思ってもどこからどのように行うべきか、悩む方もいらっしゃると思います。
ここでは自社組織のナレッジ管理を考える際に参考になる代表的なナレッジ管理の型をみていきましょう。
1つ目はベストプラクティスの管理、共有です。
ベストプラクティスとは、業務を行う上で最も適切な方法のことを指し、そのようなベストプラクティスを組織内で共有することで、組織全体の業務水準引き上げを目指すナレッジ管理方法になります。
例としては、営業組織のハイパフォーマーのナレッジを他のメンバーに共有することが挙げられます。
2つ目は、顧客からの問合せへ内容と問い合わせに対しての回答の管理です。
例として、カスタマーサポートの部門でFAQとして運用されているケースが多いです。
3つ目は専門的なナレッジの管理になります。
例としては、顧客から受ける質問の中でも専門的な内容であり、エンジニアに確認する必要があるナレッジなどを営業部門やCS部門と共有する、または、社内申請の仕方など他部門に確認しなければわからないなどのナレッジの共有、管理になります。
これからナレッジ管理を検討される場合、ご自身の組織が達成したい目的と上記のナレッジ管理を比べ、目的達成に一番近そうなナレッジ管理方法を実行していくことがおすすめです。
ナレッジ管理を実際運用してみると、実際の運用の難易度が高く、苦戦する組織が多くあります。
ここでは、ナレッジ管理を運用する上で障害となる代表的な理由を、ナレッジを提供する側と、提供されたナレッジを活用する側の視点からそれぞれみていきます。
良いナレッジがあった場合、それを共有することで組織の生産性が上がっていきます。
そのため、良いナレッジを持っているメンバーには、積極的に地震が保有しているナレッジを他のメンバーに提供してもらいたいものです。
しかし、ナレッジ提供側の視点に立つと、ナレッジ共有を行う上で以下のような障害が発生します。
・ナレッジを具現化するハードルが高い
良いナレッジを保有していても、それを共有するための時間がない、またはどのようなフォーマットで共有するのが良いかわからないなど、ナレッジを具現化するためのハードルが高いことが挙げられます。
また、普段何気なく行っているため、自分の持っているナレッジが良いものだとそもそも気づいていないため、ナレッジ共有することができないという場合もあります。
・ナレッジを共有する文化や制度がない
ナレッジ共有する文化がないとナレッジを共有することが自体ハードルが高く感じます。
また、営業組織などでよくみられますが、成果で人事評価が決定する場合、自身のナレッジを他のメンバーにわざわざ共有するインセンティブが働かないため、ナレッジを出さずに隠すということが発生します。
次にナレッジを活用する側の障害をみてみましょう。
・ナレッジが探せない
ナレッジが探せない要因は様々です。
例えば、ベストプラクティスの共有は朝礼などで口頭でされどこにも蓄積していないため、必要なタイミングで探すことができない。
または、Googleドライブなどに蓄積はしているが、階層が複雑すぎて目的のナレッジを探すことができないなどが挙げられます。
・どのナレッジが課題解決に適切なのか判断できない
自身の現状の課題に役立つナレッジから判断ができないなどです。
以上のような障害から、せっかく始めたナレッジ管理の運用を途中で挫折してしまう組織も多くあります。
このようなナレッジ管理の障害を乗り越えるためには、以下でお話しするルール設計とナレッジ管理の推進者の存在が不可欠になります。
ナレッジ管理を運用する上で、誰もでも、簡単に、いつでも、ナレッジを使える環境を整備することは必須です。
そのようなナレッジ管理のツールに関しては、こちらの記事をご覧ください。
https://jp.cardpicks.ai/blog/information-share-tool/
上記のようなツールの面に加え、ナレッジ管理を成功させるためには、以下の2つが重要になります。
1つ目はナレッジ管理を行うための運用ルールの設計です。
ナレッジ管理を行う目的、目的を達成するためにはどのようなナレッジ管理の仕方がベストか、ナレッジの更新頻度や入力フォーマットなどです。
特に優秀な人がナレッジを共有したくなるような仕組みづくりが重要になるため、可能であれば人事制度やインセンティブの設計も考えてみましょう。
ナレッジを共有し、使用頻度が高いナレッジを共有したメンバーにはインセンティブを付与する、または表彰するなどです。
このようにナレッジを共有し組織貢献したメンバーを称えることで、ナレッジ共有の文化が醸成されていきます。
2つ目はナレッジ管理を行う推進者/管理者です。
ツールを導入したが、推進者や管理者が不在のため、ナレッジ管理が頓挫してしまう組織も多いため推進者と管理者をきちんと決めることが重要になります。
推進者/管理者は積極的に以下の活動を行います。
・ナレッジの積極的な共有の促進する
・必要な場合は、共有されたナレッジの修正/フォーマットの統一化
・ナレッジが実際に活用されているかの確認
・ナレッジが活用されていない場合の原因ヒアリング、改善
・不要になったナレッジの削除
以上のような活動を行わない場合、ナレッジが共有されない、フォーマットがバラバラで読みづらい、何が最新で良いナレッジなのかわからないなどの問題が発生し、最終的に誰もナレッジを使わないと言った状態になってしまいます。
ナレッジ管理を行うためには、ただツールを導入するだけではなく、目的に沿った運用のルールの設計とナレッジの管理者を設置することが重要になります。
弊社では、このようなナレッジ管理のツール提供はもちろん、ナレッジ管理の運用のルール設計やナレッジ管理のお手伝いも行っております。ぜひ、ナレッジ管理でお悩みをお持ちの方は気軽にご相談ください。