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政府により働き方改革が推奨され、営業組織の労働時間を下げつつ、売り上げをキープしなければいけないという声を聞く機会が増えました。
営業組織にも働き方改革を行いたいが、具体的にどのように進めようか頭を抱えている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんな営業組織の働き方改革について触れていきます。具体的には、まずはじめに働き方改革とはどのようなものなのか。次に営業組織で働き方改革がうまくいかない理由、それを解消するための生産性の定義を定める必要性をお話しします。最後に営業の生産性を上げる手段をいくつかご紹介します。
働き方改革の内容について既にご存知の方は、営業組織への働き方改革がうまくいかない理由からご覧頂ければと思います。
それではまず働き方改革とは何かを見てみましょう。
働き方改革の目的ですが、厚生労働省のホームページによると以下の内容になります。
“働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。”
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html
この働き方改革が推奨されている前提としては、昨今の働き手の環境の変化があげられます。具体的には、「少子高齢化による生産年齢人口の減少」や「育児や介護との両立など、働く方のニーズが多様化」です。こうした中で、生産性向上とともに、就業拡大や能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっているため、働き方改革が推奨されています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html
その働き方改革を推進するために、以下の内容の法律(一部抜粋)が成立しています。
正確な内容は以下よりご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/000332869.pdf
※厚生労働省ホームページより
要するにただ労働時間を削減するだけだと売り上げが労働時間を削減した分落ちてしまいます。
そのため、売り上げをキープするためにも、生産性をあげつつ、労働時間を削減する取り組みが必要になります。
営業職への働き方改革がうまくいかない理由は多々あり、営業内容や扱っている商材によっても異なります。ここでは、代表的な理由をあげていきます。
訪問営業をされてる組織に多い理由です。客先まで移動しなければならず、その移動時間があるためどうしても労働時間が長くなります。特に日報や商談履歴の入力が会社でしかできない場合、商談が終わり帰社した後にようやく作業が開始できるので、残業が多くなりがちです。
意外とこうした雑務も労働時間に占める割合が多いです。特に提案資料を顧客毎に作成している組織は当てはまります。
実際にDocurated社のリサーチでは、営業担当者が一週間で資料に3~6時間の時間をかけていると発表されています。
目的がある会議や報告会なら良いのですが、数字の読み合わせだけで特に有効な打ち手なども出てこない会議もあります。そういった会議のために定例会議の日には訪問を入れないなどで、稼働時間が伸びている場合もあります。削減できる会議はできるだけ削減するのがおすすめです。
営業手法が属人化しており、売り上げが担当ごとに極端にばらついている。この場合、組織全体の予算を達成するために、トップ層が労働時間を伸ばすか、一般層が労働時間を伸ばし組織の全体の売り上げを達成するかの動きになってしまいます。そのため営業手法が属人化している組織は労働時間が長くなりがちです。
自社の組織に当てはまるものもあれば当てはまらないものもあったと思います。
ご覧頂いたように営業の働き方改革がうまくいかない理由は多岐に渡り、企業によって内容は異なります。そのため、自社の課題を見極めてその課題に沿った適切な働き方改革の施策を実行することが重要になります。
働き方改革の施策立案では、現状の業務の延長線上で考えすぎないことが大切です。
なぜなら、現状の業務体制を優先しすぎてしてしまうと、働き方改革の施策も効果の高いものではなく業務に支障が少ないものが最優先になってしまいます。
そうすると、本来の目的であった生産性向上にあまりインパクトしない施策が採用されてしまうためです。
そのため、市場環境の変化に合わせて自社の営業を再設計するという視点で考えることが重要になります。そのほうが、生産性向上にインパクトする柔軟なアイディアが出てきやすいです。
具体的な課題解決を検討する前に、自社の営業組織での生産性を定義しましょう。
この生産性を具体的に定義しないと、どの課題を優先的に解決すべきか判断ができません。
生産性は以下の式になります。
物的生産性や付加価値生産性など、生産性にもいくつか種類があります。
「生産性 種類」などで検索して頂くと、生産性の種類や解説に関して良い記事がたくさんありますので、詳しく知りたい方はそちらも参考にしてみてください。
上記のアウトプットとインプットの明確にし、どちらを解消するのかを明確にしていきます。アウトプットとインプットの中でもさらに変数を分解することができますので、分解した変数のなかで、アウトプットまたはインプットに一番インパクトする変数を課題として設定し、その課題を解消するための施策や手段を実施していきます。
解消すべき課題が設定されたら、課題解消のための具体的な施策や手段を検討します。ここでは、営業組織の生産性を上げるための手段をいくつか挙げていきます。
会社ではなく、自宅やカフェなど、時間や場所に囚われずに働く形態の総称です。以前から有名でしたが、コロナの影響で導入でテレワークに移行する企業も増えてきました。
web会議ツールを利用してオンライン上で行う営業です。コロナの影響で対面営業からオンライン営業に移行する営業組織も増えてきています。期待できる効果としては、営業の移動時間の削減がメインになります。
営業を支援するシステムであり、Sales Force Automationの略です。各ツールによって機能が異なります。期待できる効果としては、案件管理による受注率の向上や、パイプライン分析による営業の改善になります。
個々人が持っている営業資料や営業ノウハウを共有するものです。クラウドのツールであれば、期待できる効果として、資料を外部からアクセスすることによる移動時間の削減、提案資料共有による資料作成時間の削減などが挙げられます。
オンライン上で契約締結ができるツールになります。期待できる効果としては、書類の不備の削減。郵送のやりとりの時間の削減になります。
ポイントをまとめます。
働き方改革はやり慣れた今までの仕事を変更することになるので大変です。しかし、実現できると会社にとっても働き手にとってもメリットが非常に大きい取り組みです。ぜひ、前向きにトライしていきましょう。