近年はクラウドサービスによって情報を共有しやすい時代となり、社内wikiというツールが登場しました。社内wikiを活用すれば、オンプレミスのようにシステムに必要なサーバーを自社に導入しなくても、社内で気軽に情報を共有できます。
今回は社内wikiの概要とともに代表的なサービスを紹介します。社内wikiを導入したときの失敗についても解説するので、ツールを選ぶときの参考にしてみてください。
社内wikiは社内の情報を蓄積してコミュニケーションをスムーズにするツールです。業務に関する知識(ナレッジ)を集約してデータベースを作る点で、ナレッジベースツールとも呼べるでしょう。
社内wikiでは、アップロードした情報は自由に更新・閲覧できます。情報が多くなると必要な情報が探しにくくなるように思えますが、社内wikiには情報を検索できる機能も備わっています。
議事録や報告書、タスク、プロジェクトの管理などにも役立つといえるでしょう。
社内wikiツールは管理する書類を減らせるメリットがありますが、適切なツールを選ばないと社内wikiが浸透しない恐れがあります。選ぶときの参考として、導入に関する失敗について事前に押さえておきましょう。
社内wikiツールは、投稿者によって書式がバラついてしまいます。その点、テンプレート(サンプル)を事前に用意しておけば、投稿者によらず文書の書式が変化してしまう事態を減らせます。
近年ではチャットやタスク管理ツールなど、情報共有できるツールがさまざまあります。どのようなケースに社内wikiを活用すべきか判断しづらくなる恐れがあります。
したがって、社内wikiを導入する際には、すでに社内で取り入れているツールとの関係まで考慮しなければなりません。
業務が忙しいと書き込む時間がとれず、社内wikiが活性化しないケースもありえます。短時間で書き込みできるツールを導入することが大切です。
社内wikiを導入して情報が蓄積されても、必要な情報をスムーズに取り出せなければ、業務を効率化することはできません。したがって、少しでも検索しやすい社内wikiを選択する必要があります。
最近では、データのURLを送信するだけで情報を共有できるサービスが浸透しています。関係者以外に誤ってURLを共有してしまうと、重要な情報が漏えいしてしまいます。
社内wikiについても同様であり、運用にあたっては自社の情報が漏えいしないように注意しなければなりません。
社内wikiを検討している方に向けておすすめのツールを6つ紹介します。
CardPicks(カードピックス)は社内情報の共有・利用までをワンストップで実現する社内wikiツールです。ナレッジを蓄積することでチームを活性化させ、業務効率化や受注率向上を促進してくれます。
資料や動画、マニュアル、ウェブ記事など、形式を問わない情報共有ができるのが特徴です。また、機能やデザインがシンプルであることから直感的な操作が可能で、年齢層を問わずに使いやすくなっています。
特別なトレーニングを必要としないツールであることから、社内wikiツールの投稿も活性化しやすくなるといえるでしょう。
Google Site(グーグルサイト)は、社内用ホームページを無料で作れるツールです。ホームページを一般用に公開しない場合、検索エンジンにサイトを表示しないよう設定できます。
Googleが提供していることもあり、スプレッドシートやカレンダー、地図などとの連携も可能で、セミナーなどの申請についてもGoogleフォームを通して行えます。
htmlを活用して機能をカスタマイズできるほか、ページごとに閲覧権限を設定することもできます。Googleのアプリで業務を行っている方は、ぜひ活用を検討してみるとよいでしょう。
Guru(グル)はGuru Technologies, Incが提供している社内wikiツールです。社内のメンバーに権限を設定して運用できるほか、アナリティクス機能で利用状況を数値で視認できます。
最大の特徴が代表的なチャットツールであるSlackと連携できる点です。Slackで投稿されている会話をGuruに登録できるほか、SlackからGuru内にある情報を検索することも可能です。
すでにSlackを使っている企業が社内wikiを検討している場合、Guruは有力な候補となりえるでしょう。
DocBase(ドックベース)は、時間と場所を選ばずに情報を共有できるサービスであり、登録実績は7000社に及んでいます。
マークダウンという軽量なマークアップ言語に対応しており、簡単な書き方で見栄えよく整えられます。
一つのメモについて複数人同時に編集する機能も備わっており、メンバーとリアルタイムでドキュメントを作り上げていくことが可能です。
ボタンを押すまで閲覧している人には編集内容が反映されないので、安心して編集できるのも魅力といえます。
そのほか、チームごとに暗号化することができるので、他チームは情報を見れません。セキュリティにまで配慮されている点もDocBaseの特徴といえるでしょう。
Scrapbox(スクラップボックス)はチームで共有する情報を何千何万という単位で気軽に管理できる社内wikiツールです。単語をカッコで囲むだけでリンク化でき、情報のネットワークを構築できます。
画像や動画、地図などは、ドラック&ドロップやコピーペーストの直感的な操作で添付できます。データの共有範囲は、デフォルトでチームのメンバーに限定されているので、誤ってURLを関係ない人に送ってしまっても、データを閲覧されることはありません。
そのほか、ツールへの理解を深める取り組みが行われている点にも特徴があります。開発チームやScrapbox利用者が使い方や知見を共有しあうイベントを全国で開催しています。ツールへの理解を高めることで、社内wikiの活用方法までわかってくることでしょう。
Qiita Team(キータチーム)はプレーンテキストで記載するだけの社内wikiツールです。テンプレート機能でチーム専用の書式を整備できるので、議事録や日報などの見栄えを統一しやすいでしょう。
記事ごとにコメント欄が用意されているため、社内でフィードバックしあったり、議論を交しあったりできます。メンション機能で通知すれば、確認してほしい人に記事を届けることも可能です。
このように、Qiita Teamは単に記事を投稿するだけでなく、コミュニケーションの場としても使えます。社内wikiツールを活発化させやすい点に強みがあると考えられるでしょう。
以上、社内wikiツールの概要をはじめ、おすすめツールを紹介しました。セキュリティやサポート体制、操作方法など、ツールごとに特徴の違いがあるとおわかりいただけたでしょう。自社にあった社内wikiを導入して、ぜひ業務の効率化に役立ててみてください。